小型ペンプロッタ製作過程報告

ペンプロッタ

榧野製作所です!

最近、趣味の一環で小さなペンプロッタを製作していたのですが、それがひと段落したので、今回は僕が製作したペンプロッタの製作過程について記事を書いてみることにしました!

※注意!これはあくまで個人の製作日記であるため、完全な情報をお伝えできません!設計・製作も場当たり的に行っているため、参考にならない場合が多々あると思いますが、ご了承ください。


1.背景

はじめに、僕の家にはCNCというフライス盤があったのですが、加工テーブルの平面精度や、金属加工時のきりくずの処理等に課題があったため、工作機械として使われていませんでした。

そこで、CNCを改造してペンプロッタを製作したのですが、本体の重さは10kgを超えますし、コンセントから電源をとる必要があるため、家から持ち出すことはないだろうと思ってたんですね。

(実際のペンプロッタの写真。結構存在感がある。強そう。)


しかし、2023/05/05に催されたコミティア144にて、スペース内でペンプロッタに色紙を描かせているサークルさんがいらっしゃったのです!

僕自身もそれに感化されて「サークルスペースでも動かせる、ミニ色紙が描ける程度のサイズのペンプロッタ」の製作を開始しました。


2.構想

(構想図)


ペンプロッタを製作するにあたって、直動部品に何を使用するか、組み上げた時にどんな見た目にしたいか等を紙にラクガキしてみました。
多分イラストだったらラフに当たる作業ですね。
そうしてデザインと部品を仮決定しました。


3.準備

設計にはfusion360を使用し、3Dプリンタはadventure3を使用しました。
あと必要なものはペンプロッタを製作するという意気込みです(笑)
組み立てにはプラスドライバーが必要ですが、電気系を組むのにハンダゴテは用意しなくて大丈夫です👍


4.設計

ペンプロッタのデザインが決まったので、どんな部品がどれくらい必要になるのかを考えます。
この時点では、僕は電気系・制御系のことは考えずに、機械的なボディーを組むことだけを考えて作業しました。

この時に参考にしたのはこちらのウェブページ「【ペンプロッターを完全自作】必要な部品と組み立て方法を写真入りで丁寧に紹介します」です。

このサイトでは、製作に必要な部品を知ることができたり、3Dプリントするための立体データをダウンロードできたため、とりあえずこれを元に改造をしていきました。


5.機械系の製作

先ほど紹介したリンク内の部品をとりあえず全て3Dプリンタで出力してみて、その後に寸法を図りながらCADソフトで形状をアレンジして、再び出力します。

今回僕が行った改造としては以下の通りです。

・元データではペン先のホーミング(位置決め)が行えなかったため、ホーミングのためのリミットスイッチを搭載できるようにした。
・ペンプロッタの土台となる足を固定するネジ穴が、元のデータでは割れやすかったため、割れにくいようにした。
・距離が近い部品は結合させることで、部品の剛性を高め、壊れにくくした。
etc…

特に、ホーミングはペンプロッタで絵を描くときに重要なため、もしペンプロッタを製作したいと考えている方はホーミング機能をつけることを強くおすすめします!


今回、Z軸(ペンを上下させる部分)はブログのものを一切パクらずに1から設計したのがちょっとしたこだわりです✨
(ペンが下がりすぎてもバネが吸収してくれていい感じになる。)

(製作中のペンプロッタの写真)


6.電気系・制御系の製作

電気系からは僕の専門外なのでインターネットの力を頼ります(他力本願寺)。

こちらのサイト「XYペンプロッター自作への道」は非常に分かりやすく電装系の説明をしてくれたので、製作の際に大変お世話になりました!

電気系・制御系は上記のサイトをみながら作業すればいい感じに動くペンプロッタが作れますよ〜!

(リミットスイッチ)

個人的に行ったポイントではあるのですが、リミットスイッチとコードを接続する際、他のアイテムと同じように差し込むだけで通電できるよう、圧着部品を用いてみました。

差し替えも容易だし、スイッチが壊れても交換しやすいので気に入ってます!

(ホーミング用のリミットスイッチは写真のような感じに設置しました)


また、電源には12V1.0AのACアダプタを使用しましたが、もうちょっとアンペアが大きい方がいいと思います。


7.完成

僕が機械系以外詳しくないばっかりにざっくりで終わってしまった電気系・制御系をしっかりと行ったら、ペンプロッタは完成です!

PCソフトの「CNCjs」を用いれば簡単に動いてくれます!
(ただし、初めて動かすときは少しセッティングが必要なので注意!多分この辺「【XYペンプロッター制作⑤】リミットスイッチでホーミング」が役に立つと思います。)


8.発展

CNCで絵を描くための命令文であるGコードを自分で用意するには、また一手間かかります。

使用するソフトはクリップスタジオとインクスケープです。

クリップスタジオのベクターレイヤーで絵を描き、メニュータブから「ベクターで保存(SVGで保存?)」を選択してSVGファイルで書き出します。

そのSVGファイルをインクスケープで読み込み、Gコードに変換すればペンプロッタで絵を描くことができます!!

(インクスケープでのGコードの書き出しについては、こちら「INKSCAPEで画像データをGコード変換し、自作ペンプロッターで描画する」を参照しました。線データを読み込ませているため、序盤の「画像をパスに変換する工程」は無視してください。)



これは備忘録なのですが、インクスケープで、ツールをグラフィティを選択すると、サーボモータに適したGコードを描き出せるため、編集する手間が省けました。




また、コミックイベントにも持ち込めるように、電源をACアダプタからマキタのバッテリにしてみました!

動作も安定しており、信頼性もあります。




こんな感じでペンプロッタ製作メモを終わろうと思います。
今後はマイコンを用いて更にコンパクトな機械にしてみたいな〜なんて思ってます!

では!

(追記)
ネジは秋葉原の「ねじの西川」さんで、電気系・制御系のほとんどは「秋月電子」さんと「千石電商」さんで購入しました。
(ネジは買い足しに買い足したため、どのネジをどれだけ使用したのか分かりません!)

もし、これからペンプロッタを製作してみたいと思っている人の支えになったら嬉しいですね。


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